ガラス女子
GLASS GIRL
土田 康彦 さん
略歴
1969 大阪市生まれ
1988 辻調理師専門学校卒業と同時に日本を離れる
1992 イタリア・ヴェネチアへ
4年間老舗レストラン・バー『ハーリーズ・バー』に勤務
1995 ムラノ島にてガラス制作
翌年スキアヴォン・ガラス社アートディレクターに就任
2000 ヴェネチア・ガラス研究所理事、2003年には理事長就任
2008 トスカーナ・グロセト市より文化振興貢献者褒賞受賞
オープン国際彫刻展日本代表、最優秀グランプリ受賞
2014 第53回日本現代工芸美術展にて現代工芸賞を受賞



土田さんに会った人は皆、彼のことを「温厚な」「優しい」と言う。
しかし、彼の制作風景や話す言葉、ふとしたときに見せる表情、そして作品にはまだ見えない彼がいるのではないのかと感じた。
土田さんの作品には様々なシリーズがあります。
『バンブー』『運命の交差点』『イマジン』『ウィンドウズ』、そして『DNA』。どれも強烈なインパクトを感じる作品ばかりです。写真はDNAの展覧会で撮影したものです。
彼の作品や経歴など、ここでは語りつくせないほど多くあり、また様々な交友関係により検索いただければ彼のことを語る記事もたくさんあるため、ここでは一個人として会って感じた彼の話をしたいと思います。
土田さんはアーティストでなくとも、生きていける人間だと思いました。経歴を見ていただいてもわかるように、彼は海外に出て、一度料理人とし働き、ムラノでガラス工房を引き継ぎ、今では自分をプロデュースしながら様々な場所で展覧会を行ております。また、話をしても人との壁を感じず、普通のアーティストではないなと思いました。
『芸術が生まれる瞬間』
流れて行く風に身を投じることは、芸術を生む行為ととても良く似ている。身体が触れたもの。それは流れ去るものの最後の部分と、押し寄せてくるものの最先端だ。それを同時に触れているのである。時代であり、文化であり、歴史であり。。。その瞬間に芸術は生まれるような気がする。
※土田康彦サイト コトバ 語録より

自分を表現し、そしてよりよい状態で多くの人に見てもらうエンターテイナーのような。そんなひたむきな彼の姿はとても活き活きとしており、それがまた人々を惹きつける魅力なのだと思いました。
しかし、作品制作の際見せる眼差しや、彼からこぼれだす言葉には、なんとなくまだ表現していない部分を感じます。それは私にもわかりませんが、いつも見せる社交的な彼ではない姿……。
今だ変わりゆく彼の作品には、これからも無限に広がる土田康彦という世界が広がっているのを予感しました。
※2015.12/8記載
土田康彦オフィシャルサイト